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STEP 3 · 税金の時期体験記オーストラリア

【体験記①】英語力ゼロで電話して撃沈、無料通訳で突破——初めて自力でタックスリターンした話

公開 2026年9月27日 最終確認 2026年10月6日 Daiki

この記事でわかること

2024年7月8日、入国から約2ヶ月・給与1ヶ月分で初めてのタックスリターンに挑戦。ATOに自分で電話して話が噛み合わず撃沈し、ATO公式の日本語ページで見つけた無料通訳で突破した記録。還付金はAUD$13.30。

目次
📌 2026年9月27日 編集注記(本編を読む前に)
この記事は2024年7月8日の体験をそのまま記録したものです。 当時、myGovとATOを連携するには電話でlinking codeを取得するしかありませんでした。

現在この手順は変わっています。2026年9月時点では、myGovにサインインして 本人確認の質問に答えるだけでオンラインで完結します。電話は「オンラインで確認できなかった場合」の代替手段です。

これから申告する方は、いきなり電話しないでください。 現在の手順は記事末尾の追記と手順編にまとめています。 以下は「当時こうだった」という記録としてお読みください。

入国から約2ヶ月、給与1ヶ月分で申告することにした

2024年7月8日。オーストラリアに来て、まだ2ヶ月足らず。

働いた分といえば、給与1ヶ月分だけです。それでも今日、初めてのタックスリターン(2023-24年度分)をやってみることにしました。

オーストラリアの会計年度は7月1日から翌年6月30日まで。5月半ばに入国した私は、2023-24年度にほんの少しかすっているだけの状態です。戻ってくる金額など、たかが知れているでしょう。

それでもやろうと思ったのは、税理士に頼むと費用がかかると知ったからです(当時はAUD$50〜$100程度と見ていました。あとで調べたところ、登録税理士の実勢は$100〜$250程度でした)。1ヶ月分の給与に対してその出費は、どう考えても割に合いません。だったら自分でやるしかありません。

そもそも、これから何年かこの国にいるつもりでいます。毎年必ず来る手続きなら、最初に覚えてしまったほうがいい。金額が小さい今なら、失敗しても失うものは少ないはずです。

日本語の解説記事を探して、それを見ながら進める

まず日本語で「タックスリターン やり方」と検索しました。いくつか記事が見つかったので、そのうちの1つを画面の横に開いたまま、同じ手順をなぞっていくことにしました。

ただ、記事に載っているスクリーンショットが実際の画面と少し違います。数年前のもののようです。見比べながら「たぶんこれのことだろう」と推測して進める場面が何度かありました。

myGovの登録までは順調だった

myGovはオーストラリア政府のポータルサイトで、税金・医療・年金などのサービスをここからまとめて使います。アカウント作成自体はメールアドレスがあればでき、特に詰まるところはありませんでした。

問題はその次でした。

myGovとATO(オーストラリア税務局)を「連携(link)」させる必要がある。ここで先に進めなくなりました。

画面にはこう出ています。連携するには、ATOに電話してlinking code(連携コード)を取得してください——。

linking code とは
myGovとATOを紐づけるための一時的なコードです。電話口で口頭で伝えられます。
・有効期限は発行から24時間
・一度使うと再利用できません
・入力を何度も間違えると無効になり、再取得のためにもう一度電話することになります

電話。しかも英語で。

正直、ここでかなり気が重くなりました。

【1回目】自分で電話した。そして撃沈した

それでもやるしかないので、ATOの個人税の窓口(13 28 61)にかけました。

結果から書きます。電話は繋がりました。担当者とも話せました。それでも断念しました。

何が起きたか
自分の英語力が足りず、さらに税務の知識もなかったため、 話が噛み合いませんでした。

相手が何を確認しようとしているのか分かりません。こちらが何を求めているのかも正確に伝えられません。 会話は成立しているように見えて、実際には何ひとつ前に進んでいません。そういう状態でした。

これは英語力だけの問題ではなかったと思います。「linking code」「tax file number」「lodge」といった言葉が、そもそも何を指しているのか分かっていませんでした。日本語で説明されても怪しい概念を、英語で聞き取って即答するのは無理があります。

電話を切ったあと、落ち込みました。自力でやろうと決めたのに、最初の関門で止まっています。

【2回目】ATO公式に、日本語の通訳サービスが載っていた

諦めきれずにATOのサイトを調べていて、見つけました。

ATOには日本語の公式ページがあり、そこに無料の通訳サービスが案内されている。

ATO公式(日本語 / Japanese)にはこう書かれていました。

英語以外の言語での対応をご希望の場合は、翻訳・通訳サービス(TIS National)をご利用いただけます。この無料サービスでは、通訳者を介して当機関に電話をつなぎ、お問い合わせ内容についてお手伝いします。
翻訳・通訳サービス(TIS National)
受付:月曜〜金曜 午前8時〜午後6時(オーストラリア東部標準時)
・13 14 50 — オーストラリア国内からかける場合
・+61 3 9268 8332 — オーストラリア国外からかける場合

利用者の負担は無料です。費用は問い合わせ先の機関が負担します。

これを使って、無事にlinking codeを取得できました。

通訳を介した途端、状況がまるで変わりました。自分の状況を日本語で正確に説明できる。相手の質問も日本語で理解できる。1回目にあれだけ噛み合わなかったやり取りが、あっさり通りました。

拍子抜けするほどでした。同時に、1回目の電話で消耗した時間は何だったんだろうとも思いました。

これを知らずに税理士へ依頼する人は、かなり多いと思います。
「英語で電話するのが怖い」——それは当然の感覚だと思います。私も1回撃沈しています。
でも通訳は無料で使えます。その事実を知っているかどうかだけで、 税理士費用(登録税理士なら$100〜$250程度)と、自力でやるという選択肢の有無が変わります。

ATO公式の日本語ページには、問い合わせ先の番号もまとめられていました。

  • 個人税に関する照会 — 13 28 61
  • 事業税に関する照会 — 13 28 66
  • 退職年金に関する照会 — 13 10 20

連携できても、申告本体で1時間かかった

linking codeを入力して、ようやくmyGovとATOが繋がりました。ここから先はすぐ終わるだろうと思っていました。

実際は違いました。myTax(オンライン申告システム)の申告フォームは、私の場合すべて自分で手入力でした。どの欄に何を入れればいいのか分からず、日本語の解説記事と見比べながら1項目ずつ埋めていきました。

送信までにかかった時間は約1時間。給与は1ヶ月分しかないのに、です。

送信した直後に確認メールが届きました。それを見て、やっと終わったと実感しました。

還付金は、$13.30だった

$13.30。

コーヒー2杯分にも届きません。

電話で撃沈して、通訳サービスを探して、ようやく連携を通して——手元に戻ってきたのがこれか、と思わず笑ってしまいました。

ただ、終えてみて分かったこともあります。

$13.30でも、やった意味はあったと思います
  • myGovとATOの連携が完了した。これは一度やれば維持されるはずなので、 来年からはこの関門がないはずです
  • myTaxの画面がどう動くかを、失うものがない金額で経験できました。 1ヶ月分の給与なら、間違えても被害は小さくて済みます
  • 自力でできると分かりました。税理士に払わずに済みました

金額を目的にするなら、今回はまったくの空振りです。でも「毎年必ず来る手続きを、一番安全なタイミングで一度通しておく」という意味では、悪くない使い方だったと思います。

次回に向けてのメモ

  • 英語で詰まったら、最初から通訳を使う。1回目の電話は完全に無駄でした
  • 7月8日は早すぎたかもしれません。雇用主が給与データをATOに確定させる期限は毎年7月14日。 今回は間に合いましたが、次からはIncome statementが「Tax ready」と表示されてから出します
  • 複数の職場で働いた年は要注意。全ての雇用主の分が揃うまで待つ必要がありそうです
  • 経費(deductions)は今回ほぼ申告していません。仕事用に買ったものはレシートを取っておきます

📌 2026年9月27日 追記 — 手順はこう変わりました

上の記録は2024年7月時点のものです。現在、myGovとATOの連携はオンラインで完結できます。 ATO公式(最終更新 2026年7月21日)の手順は次の4ステップです。

① myGovアカウントにサインイン → ② 案内に従ってATOへのリンクに進む → ③ 個人情報を入力・確認 → ④ 本人確認の質問に答える

ATOはこう書いています。「If you can't confirm your identity online, we will let you know what to do next.」 ——オンラインで確認できなかった場合に、はじめて次の手段に進みます。

私が経験した「まず電話」は、もう標準の手順ではありません。 日本語の検索結果には今も「まず電話でlinking codeを取得」と書かれた記事が残っていますが、 その通りにすると繋がらない電話を待ち続けることになります。

もう1つ、申告フォームが手入力だった理由です。雇用主が給与データを確定させる期限(7月14日)より前の7月8日に出したためだった可能性があります。 期限後に申告すれば、給与データが最初から入った状態で始められます。

現在の正しい手順と画面ごとの解説:→ myTaxで自力申告する全手順(画面ごとに解説)

なお無料の通訳サービスは現在も利用できます(13 14 50 / 国外からは +61 3 9268 8332)。 オンラインで本人確認が通らず電話が必要になった場合は、今も有効な手段です。
このシリーズの他の記事
・myTaxで自力申告する全手順(画面ごとに解説) — 実際の画面26枚で全18ステップを解説した実務ガイド
・メディケア免除申請のやり方(MES取得の全手順) — 私が初回に知らなかった、2%を取り戻す手続き

よくある質問

入国して間もなく、給与が1ヶ月分しかなくても申告すべきですか?

還付額は小さくなりますが、やる価値はあると思います。私は1ヶ月分の給与で申告してAUD$13.30でした。ただmyGovとATOの連携という一番面倒な部分を、失うものが少ないタイミングで済ませられました。金額が小さいうちに一度手順を通しておくのは、練習として合理的です。

英語が話せなくてもATOに電話できますか?

できます。ATO公式の日本語ページで案内されている翻訳・通訳サービス(TIS National)を使えば、日本語通訳を介してATOに繋いでもらえます。オーストラリア国内からは 13 14 50、国外からは +61 3 9268 8332(月〜金 8:00〜18:00 豪州東部標準時)。利用者の負担はありません。私は自分で電話して話が噛み合わず断念したあと、この方法で突破しました。

今もlinking codeを電話で取る必要がありますか?

いいえ。2026年9月時点では、myGovにサインインして本人確認の質問に答えるだけでオンラインで完結できます。電話でのlinking code取得は、オンラインで本人確認が通らなかった場合の代替手段です。この記事の体験は2024年7月時点のもので、当時は電話が必須でした。

タックスリターンは税理士に頼まないとできませんか?

いいえ。初回は電話で手間取りましたが、自力で完了できました。税理士に依頼すると$100〜$250程度(オンライン特化なら$35〜)かかるので、自分でできればその分が浮きます。

7月1日になったらすぐ申告していいですか?

おすすめしません。雇用主がATOに給与データを確定させる期限は毎年7月14日です。それ以前に申告するとデータが未確定のまま提出され、後から修正が必要になることがあります。Income statementが「Tax ready」と表示されてから申告してください。私は7月8日に出してしまいました。

申告の期限はいつですか?

税理士を通さず自分で申告する場合、その年度分の申告期間は7月1日から10月31日までです。

出典

※本記事の体験は2024年7月8日時点のものです。制度・手順に関する記述は2026年9月27日時点でATO公式を確認しています。手続きは変更される可能性があるため、実際の申告時は必ずATO公式でご確認ください。

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Daiki

自力で海外生活(じりかい)運営者。オーストラリア2年滞在・NZワーホリビザ自力取得・エージェント不使用での各種書類手続き経験をもとに2026年最新の一次情報を発信。

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